2017年進学ガイダンスの案内

何をやっているか? 馬場・中澤研究室では、X線、ガンマ線検出器を人工衛星に搭載したり地上に展開することで、ブラックホール、中性子星、超新星残骸、宇宙の大規模構造などといった、宇宙の高エネルギー現象の研究を行なっています。現在は「すざく」衛星などX線宇宙衛星のデータを解析しつつ、次世代X線・ガンマ線検出技術の開発を行なっています。馬場准教授と中澤講師は、それぞれ重なるところと異なるところをカバーしつつ当研究室を運営しますので、高エネルギー宇宙物理のサイエンスをより広い幅で担うことができます。なお、昨年度から統合した研究室として運営しており、中澤は直接には学生を取らず、希望者は全員、馬場先生を指名するようにしてください。

同じ分野でどれだけの研究室があるか? 宇宙X線を用いた観測的研究では、JAXA宇宙科学研究所と深く連携しており、馬場・中澤研に加えて、JAXAの高橋教授満田教授、山崎准教授が、東大物理学専攻の枠組みの中(学際理学併任)で大学院生を受け入れており、実際、多数の物理学専攻の院生がJAXA宇宙科学研究所に在籍しています。また、宇宙超高エネルギーガンマ線を用いた観測では、東大物理学専攻では宇宙線研究所の手嶋政廣教授、吉越貴紀准教授と連携して研究を行なっています。

ガイダンス情報 物理学教室ガイダンスの中で、馬場の講演は、5/27 (土)午前です。また、当研究室は、5/26(金)と27(土)にオープンラボとして公開しています。興味がある方はお越し下さい。詳細な時間などは、学科のページをごらんください。
 5/27の午後には、宇宙研や宇宙線研まで含めた専攻ガイダンスが予定されており、ここにも各スタッフに加えて、皆さんの先輩に当たる大学院生が来ます。直接話を聞くチャンスですので、是非 A8 サブコースのブースへ来ていただけると良いと思います。 また、この5/26-27は忙しい、他に聞きたいことがあるなどありましたら、馬場・中澤まで遠慮なくメールください。アドレスは、bambaあっとphys.s.u-tokyo.ac.jp もしくはnakazawaあっとphys.s.u-tokyo.ac.jp です。

2017-04-20
 

銀河団同士の衝突による巨大衝撃波の誕生を捉えた

当研究室の博士2年加藤と中澤講師らが執筆した”銀河団同士の衝突による巨大衝撃波の誕生を捉えた”が天文月報のEurekaに掲載されました。
本稿では、銀河面に隠されていた衝突銀河団CIZA J1358.9-4750で発見された”生まれたて”の巨大衝撃波ついて解説しています。

2016-12-1
 

「ひとみ」衛星が見た銀河団ガスの乱流は小さかった

当研究室が参加したX線衛星「ひとみ」に搭載された軟X線分光検出器で、ペルセウス座銀河団が観測され、その結果がNature論文として掲載されます。

銀河の大集団、銀河団はその巨大な重力ポテンシャルに捕らえられた高温ガスでX線で明るく輝きます。ペルセウス座銀河団の中心部では、巨大ブラックホールから吹き出すジェットが高温ガスとぶつかって押しのけるなど、激しく活動していることは知られていましたが、そこで作り出されると考えられていた高温ガスの乱れた運動が意外に小さく、静かな状態であることがわかりました。

本研究成果は、7月6日付 (世界時) 英国科学誌「Nature」のオンライン版に掲載されます。

詳しくはJAXAホームページをご覧ください。

2016-07-13
 

2016 大学院ガイダンス(5/27-28)について:馬場・中澤研を目指す皆さんへ

何をやっているか? 馬場・中澤研究室では、X線、ガンマ線検出器を人工衛星に搭載したり地上に展開することで、ブラックホール、中性子星、超新星残骸、宇宙の大規模構造などといった、宇宙の高エネルギー現象の研究を行なっています。現在は「すざく」衛星などX線宇宙衛星のデータを解析しつつ、次世代X線・ガンマ線検出技術の開発を行なっています。馬場准教授と中澤講師は、それぞれ重なるところと異なるところをカバーしつつ当研究室を運営しますので、高エネルギー宇宙物理のサイエンスをより広い幅で担うことができます。なお、今年度からは統合した研究室として運営するため、中澤は直接には学生を取らず、希望者は全員、馬場先生を指名するようにしてください。

同じ分野でどれだけの研究室があるか? 宇宙X線を用いた観測的研究では、JAXA宇宙科学研究所と深く連携しており、馬場・中澤研に加えて、JAXAの高橋教授満田教授、山崎准教授が、東大物理学専攻の枠組みの中(学際理学併任)で大学院生を受け入れており、じっさい多数の物理学専攻の院生がJAXA宇宙科学研究所に在籍しています。また、宇宙超高エネルギーガンマ線を用いた観測では、東大物理学専攻では宇宙線研究所の手嶋政廣教授、吉越貴紀准教授と連携して研究を行なっています。

ガイダンス情報 物理学教室ガイダンスの中で、馬場の講演は、5/28 (金)午前です。また、当研究室は、5/28(金) 10:40-12:00と5/29(土) 9:20-12:00 まで公開しています。興味がある方はお越し下さい。
 5/29の午後には、宇宙研や宇宙線研まで含めた専攻ガイダンスが予定されており、ここにも各スタッフに加えて、皆さんの先輩に当たる大学院生が来ます。直接話を聞くチャンスですので、是非 A8 サブコースのブースへ来ていただけると良いと思います。 また、この5/28-29は忙しい、他に聞きたいことがあるなどありましたら、馬場・中澤まで遠慮なくメールください。アドレスは、bambaあっとphys.s.u-tokyo.ac.jp もしくはnakazawaあっとphys.s.u-tokyo.ac.jp です。

2016-05-11
 

2016-03-12 プレスリリース:銀河団の合体で巨大衝撃波が生まれる瞬間をとらえた

当研究室の博士1年加藤佑一君と中澤講師、牧島名誉教授らが、日本のX線衛星「すざく」、米国の「チャンドラ」のデータを使って、巨大衝撃波が生まれるつつある銀河団を発見しました。2016-3-12 に天文学会(首都大学東京)にて発表されました。

「銀河団」とは銀河の大集団であり、重力で自らの形を保持する宇宙最大の天体です。これらは、現在でも、周囲の銀河団と衝突合体を繰り返して成長しています。大量のダークマターが生じる重力によって、銀河団には約1億度の高温ガスが大量に閉じ込められ、それが強いX線を放射します。我々は、天の川に遮られて観測が遅れていた銀河団CIZA J1358.9-4750を、X線天文衛星「すざく」(日本)や「チャンドラ」(米国)を用いて観測し、これが2つの銀河団がまさに合体しつつある姿であることを確かめました。データ解析の結果、2つの銀河団の中間に、500万光年を超える長さの巨大衝撃波が、まさに誕生しつつあることを発見しました。その年齢は5000万年よりも若いと計算されます。衝突銀河団の巨大衝撃波はこれまでも報告されていますが、ここまで若いものは世界で初めてです。我々の発見により、宇宙最大規模の衝撃波の中で何が起きているのか、ガスの加熱や粒子加速などを知る上で、極めて重要な手がかりを与える天体であることが判明しました。

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2016-03-13
 

「ひとみ」衛星打ち上げ成功!

ASTRO-H衛星あらため、「ひとみ」衛星が、2016年2月17日、17:45にH-IIAロケット 30号機によって、無事に軌道へ打ち上げられました!

「ひとみ」は、JAXAを中心に日本の大学・研究機関・企業の力を結集し、アメリカNASAやヨーロッパ(ESAおよびオランダ)、カナダなどの協力を得て開発されました。高温の天体から出るX線の蛍光輝線をこれまでの30倍もすぐれた能力で分光する軟X線分光検出器を積んでおり、重元素の組成やその速度分布を初めて詳しく得ることができます。大きな視野の軟X線イメージャも搭載し、0.3-12 keVの帯域で、分光系の視野の外を幅広く測定します。

また、5-80 keVを撮像分光する硬X線撮像検出器、60-600 keVを分光する軟ガンマ線検出器も搭載し、軟X線の観測装置と合わせて、広い帯域を過去最高の感度で観測できます。これにより、宇宙における粒子加速の謎や、超高温に加熱された成分の探査など、かつてない精度で研究を進めます。

「ひとみ」は電源や姿勢、観測装置の立ち上げに1ヶ月ほどをかけたのち、いよいよ試験観測、そして本格的な科学観測に入る予定です。全く新しい目で宇宙を見ることでどのような新しい発見があるか、大変興味がもたれます。

2016-02-18
 

ASTRO-H 打ち上げ間近!

宇宙の成り立ちと、熱く激しい宇宙に潜む物理現象を解明することを目指すASTRO-H衛星が、間も無く打ち上げられます。打ち上げ予定は 2月12日、夕方17時45分です。打ち上げ情報はこちらをごらんください。

当研究室は、ASTRO-H衛星の立ち上げから深く関わり、特に硬X線イメージャ(Hard X-ray Imager: HXI)および、軟ガンマ線検出器(Soft Gamma-ray Detector: SGD) の開発で中心的な役割を果たしてきました。中澤はHXI検出器のリーダーを務め、これまで、そして現在も、大学院生の多くがその中核を担っています。

ASTRO-Hは、そのすぐれたX線分光能力、軟X線から軟ガンマ線と3桁の波長に渡る高エネルギー光子を高い感度で観測できる能力、という2つの特徴を持ちます。重元素の輝線をかつてない精度で観測したり、そのドップラー速度を得てプラズマの運動を確認する。また広い帯域を持つことで、これまで熱的放射に隠されてきた非熱的な放射(粒子加速の兆候)を高精度で得ることができます。特にブラックホール周りの高温コロナからの放射や、粒子加速に伴う放射は、狭い帯域で観測しているとその特徴的な構造が見おとされその全貌がわからないことも多いのです。このためASTRO-Hは、高エネルギー天体の「中」で何が起きているのか、「物理的」に解明して行く上で大きな貢献が期待されています。

打ち上げはもとより、その後の観測装置の立ち上げと観測開始を思うと、胸が高まると同時に開発者としての責任を感じます。チームで全力を尽くして、大きな成果を得たいと考えています。

2016-02-4
 

2015 大学院ガイダンス(5/29-30)について

何をやっているか? 中澤研究室では、X線、ガンマ線検出器を人工衛星に搭載し、ブラックホール、中性子星、超新星残骸、大規模構造などの、宇宙X線観測をしています。現在は「すざく」衛星のデータを解析しつつ、2015年打ち上げ予定の ASTRO-H 衛星 の開発に全力で取り組んでいます。ASTRO-H は、NASA、ESAも参加する、日本主導の世界のX線天文台で、今後10年の世界の宇宙X線観測を担う重要なミッションです。
同じ分野でどれだけの研究室があるか? ASTRO-Hの研究では、JAXA宇宙科学研究所と深く連携しており、中澤研に加えて、JAXAの高橋教授満田教授、山崎准教授が、東大物理学専攻の枠組みの中(学際理学併任)で大学院生を受け入れており、じっさい多数の物理学専攻の院生がJAXA宇宙科学研究所に在籍しています。なお、教授の牧島は、2015年3月にて定年退職しましたが、ASTRO-H観測、および中澤研の観測研究全般にアドバイスをいただいています。
ガイダンス情報 物理学教室ガイダンスの中での 中澤の講演は、5/29(金) 朝 10:00-10:20 です。また、当研究室は、5/29(金) 10:40-12:00と14:00-16:00、5/30(土) 9:20-12:00 まで公開しています。興味がある方はお越し下さい。
5/30 の午後には、 宇宙研まで含めた専攻ガイダンス が予定されており、ここにも中澤やJAXAの先生がたに加えて、皆さんの先輩に当たる大学院生が来ます。直接話しを聞くチャンスですので、是非 A8 サブコースのブースへ来ていただけると良いと思います。 また、この5/29-30は忙しい、他に聞きたいことがあるなどありましたら、中澤まで遠慮なくメールください。あどれすは、nakazawaあっとphys.s.u-tokyo.ac.jp です。

2015-05-7
 

牧島一夫教授が日本学士院賞を受賞

2015.03.17 更新

このたび、理学系研究科物理学専攻の牧島一夫教授が、日本学士院賞を受賞されました。この賞は、ノーベル賞受賞者はじめ多くの偉大な先達が名を連ねており、恩師である牧島先生のご受賞を心よりお慶び申し上げます。

牧島先生の受賞は「X線観測による中性子星の強磁場の研究」によるものです。半径10 kmあまり、つまり山手線の範囲ほどの中に、太陽一個分の重さが閉じ込められている中性子星は、重力で圧縮された核物質の塊りです。これがどのような性質を持っているのか、牧島先生は宇宙X線観測の立場から研究されてきました。

中性子星は、星の最期の大爆発の中で生まれます。親星の何もかもを圧縮して誕生する中で、磁場もまた激しく圧縮され、108〜12 Tにも達する場合があります。ここに周囲からガスが落ちてくると、磁場の力で磁極に集中して降り積もり、中性子星の表面に衝突して激しく加熱し、強いX線を出します。このX線に現れる特徴的な波長を用いて中性子星の表面磁場を測る技法は、牧島先生が世界を先導してこられました。

この磁場は、超伝導電流で作られるのか、核物質のスピンで作られるのか、観測データが足りずまだ決着していません。牧島先生はこの問題に取り組み続け、最近では中性子星の自転に現れる「自由歳差運動」の観測から、その形状の歪みを捉えることに成功しました。これは、中性子星の内部に隠された磁場を推定する全く新しい技法で、これまでの不可能を可能にしたすばらしいアイデアです。牧島先生の創意工夫、卓抜な発想力、想像力のすごさを見た思いがしております。

先生は今月で東京大学を退職されますが、まだまだ宇宙研究の最前線を切り開いてゆかれると思います。このたびはご受賞、誠におめでとうございます。

see also http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2015/031201.html#005

and

http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/news/5252/

(文責:物理学専攻 講師 中澤 知洋)

2015-03-17
 

巨大ブラックホールが支配する「AGNエンジン」の解明へ

-吸い込むガスの重力エネルギーが2種類のX線放射に変換される-

理化学研究所(理研、野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、巨大ブラックホールへのガスの流入量が少ない時には、ガスの重力エネルギーを放射に変換する機構である「AGNエンジン」の効率が悪く、放射量(エンジン出力)の変動が穏やかなのに対し、流入量がある一定値を超えると、激しく出力が変動する効率のよい別系統のエンジンが働き始めることを発見しました。これは、理研仁科加速器研究センター(延與秀人センター長)玉川高エネルギー宇宙物理研究室の野田博文基礎科学特別研究員と東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の牧島一夫教授(理研グローバル研究クラスタ 宇宙観測実験連携研究グループ グループディレクター)を中心とする共同研究グループによる研究成果です。
ほぼ全ての銀河の中心には、太陽の10万~10億倍の質量を持つ巨大ブラックホールが1個ずつ存在します。そのうち、激しくガスを吸い込むものは「活動銀河核(AGN)」と呼ばれ、銀河に属する1千億個もの星の総和を上回るエネルギー量の放射(主にX線や可視光)を出します。これはガスの重力エネルギーを放射に変換する機構が働くためと考えられており、その機構を「AGNエンジン」と呼んでいます。AGNの進化過程や周囲に与える影響を知るため、これまでにAGNから放射されるX線などの観測データを用いて、AGNエンジンの動作が盛んに研究されてきました。しかし、未だに全貌は解明されていません。
共同研究グループは、X線天文衛星「すざく」が観測した「NGC 3227」というAGNの高品質X線データについて、X線の「放射量」と「個々のX線光子が持つエネルギー」の変動に着目して解析しました。その結果、巨大ブラックホールへのガスの流入量が少ない時には、放射量が小さくエネルギーが高めのX線で構成される成分が緩やかに変動する一方、流入量がある境界を超えると、エネルギーが低めのX線で構成される別の成分が現れ、この成分によって放射量が増大するとともに激しく変動し始めることが分かりました。AGNエンジンの中に異なる働きを担う2つの部分が存在し、吸い込まれるガスの量が少ない時にはそのうちの片側だけ、ガスの量が増えてくると両方が働き出すという、AGNエンジンの新しい機能や構造が示唆されました。
今後は、日本が2015年度に打ち上げる予定の次期X線天文衛星「ASTRO-H」による観測から、AGNエンジンの機能や構造がより詳細に分かると期待できます。本研究成果は、米国の科学雑誌『Astrophysical Journal』に掲載されるのに先立ち、オンライン版(日本時間9月18日付け)に掲載されました。

see http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140918_1/ for detail

 

2014-09-26